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執筆者の写真Hideyuki Ikeda

太極拳経の解明

私は武術家

まずは武術の基本原理である

技の三原則に述べて来ました。

いよいよ太極拳経から武術理論を考えてみましょう。

拳論   王宗岳

太極者、無極而生、動静之機、陰陽之母也。

動之則分、静之則合。無過不及、隨曲就伸。

人剛我柔謂之「走」、我順人背謂之「黏」。

動急則急應、動緩則緩隨。

雖變化萬端、而理唯一貫。

由着熟而漸悟○勁、由○勁而階及神明。

然非用力之久、不能豁然貫通焉!

虚領頂勁、氣沈丹田、不偏不倚、怱隱怱現。

左重則左虚、右重則右杳。

仰之則彌高、俯之則彌深。進之則愈長、退之則愈促。

一羽不能加、蠅蟲不能落。

人不知我、我獨知人。

英雄所向無敵、蓋皆由此而及也!

斯技旁門甚多、雖勢有區別、概不外壯欺弱、慢譲快耳!

有力打無力、手慢譲手快、是皆先天自然之能、非關學力而有為也!

察「四兩撥千斤」之句、顯非力勝、觀耄耋能禦衆之形、快何能為?

立如平準、活似車輪。

偏沈則隨、雙重則滯。

毎見數年純功、不能運化者、率皆自為人制、雙重之病未悟耳!

欲避此病、須知陰陽、黏即是走、走即是黏、陰不離陽、陽不離陰、陰陽相濟、方為○勁。

○勁後愈練愈精、黙識揣摩、漸至從心所欲。

本是「捨己從人」、多誤「捨近求遠」。

所謂「差之毫釐、謬之千里」、學者不可不詳辨焉!是為論。

ウィキペディアより              


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「太極拳論」-王宗岳-

まずは最初のことば


太極者、無極而生、動静之機、陰陽之母也。


太極は無極から生じ、動きや静まりの始まりであり、陰陽の母である。


このことを考えてみたい


太極は無極より生じる

とはどういうことか

太極から太極は生じないということである。

太極が動けば太極ではなくなってしまう

無極から太極は生まれる

つまり無極から動き太極になって静になる

そこに陰陽ができる

つまり動と静が陰陽の母である

ということ


例えば乾電池

プラスとマイナスの極がありそれを通して電気が流れる

プラスという無極とマイナスという無極がつながり電気が流れる

それは一つの太極である

ブラスとマイナスという関係が続けば電気は太極として流れていく

プラスにマイナス プラスにマイナス

無極から相反する無極に

そして一つの太極からまた無極から相反する無極にと繋がる

この関係を崩すと電気は流れない

プラスにマイナスそこにマイナスと続けば

そこでは電気は通らなくなってしまう。

無極から無極という相反する極の連結で電気は通る

そこに

プラスからマイナスと一つの太極が出来上がっていてもそこからマイナスからマイナスという同極でつなげてしまうともう電気は通らなくなる

常に相反する極の繋がりが必要であるということ

ブラスという極が相反する極マイナスとつながり太極ができる

しかしその太極から次の太極に流そうとするならまた、次の相反する無極につながらなければならない。プラスとマイナスの太極の繋がりは相反する無極とつながらなければならない

ここにプラスとマイナスの太極がマイナスという同極につながると電気は通らなくなる。

人間の身体も一つの部位に相反する極がありその関係が続いて一つの統一体としての太極の動きができる

無極から相反する無極に動いて静となり太極が生まれる

しかし次の繋がりが同極でつながると太極という静が静となり動にはならない

止まってしまうのである。

無極という静が相反する極とつながり動となる

次の繋がりはまた無極から相反する極と繋がっていかなければならない

太極は相反する無極とつながらなければならない

同極どうしでは静から静となり動にならなくなってひまうのだ。

太極は相反する無極と繋がっていなければならない。

この静から動の繰り返しが陰陽を生む。

相反する極の関係が崩れれば陰陽ではなくなる

こう考えると

太極拳経の最初の言葉は実に深い意味を持っているのである




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