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執筆者の写真Hideyuki Ikeda

4月28日記す       毎見數年純功、不能運化者、率皆自為人制、雙重之病未悟耳!

何年練習を積もうともうまく運化(勁を流す事が)できなければ人に制されたしまう(やられてしまう)双重の病を未だ悟らないからである。


勁をうまく流さなければ人に勝つことはできない。双重の病から抜け出せないからである。


この言葉で中国語のわかる人に聞くと耳は大した意味はないとのこと

双重の病を未だ悟らないからである。と訳すのが普通だという事だそうだが、でも私はこの耳という字に引っかかってしまう。

弓の師範をしていた父の言葉があるからである。父は「弓は目で見て当てるのではない。「耳で当てるのだ」

そう言っていた。

耳を意識すると腰が立ち体軸ができるのだ。

弓をやっている人の画像を見ると弓を耳のところで引く人が多い。大抵の人が耳のところで弓を引いている。

弓とは関係ないが試してみよう。

立って左右に腰を振ってみる。脚も左右に身体の振りと一緒に動く。両耳を両手でつまんで身体を振ると身体だけが動く事ができる。体軸を実感ができるのだ。歩きながら左右に動く時左右の耳を意識しながら方向転換をするとスムーズに方向転換もできるのだ。

本来の中国語の訳からずれてしまうのかもしれないが

雙重之病未悟耳!

私には

耳を悟れば双重の病にならない

そんなふうにとれる。

そうとる事で結構実用的に役に立つのだ。

型や套路をするときに耳を意識する事で腰が立ち立身中正ができる。方向転換するときに方向を変える側の耳を意識すると方向転換がスムーズにできる。

実用的に使えるのだ。

太極拳を学んだ時「後ろの音を聞くように立ちなさい」と教えられた。

後ろの音を聞くようにすると姿勢がまっすぐになるのだ。具体的ないい指示だと感じている。

耳を悟れば双重の病にならない。

あながち間違っていない解釈かもしれない。

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