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執筆者の写真Hideyuki Ikeda

2024年4月19日記す    雖變化萬端、而理唯一貫。由着熟而漸悟懂勁、由懂勁而階及神明。

千変万化すれども道理は一つ、技は熟することによって漸く(ようやく)勁を悟ることができる。勁を悟ることによって神明に及ぶことができる。


要は勁を身につけることの大切さを言ってます。勁を悟ることによって深い境地が得られる

勁とは流れる身体エネルギーとわたしは捉えています。勁が自分に流れるとしてそれで相手にも影響するのかと質問を受けたことがあります。筋肉の動きは関節の動きに影響されます。相手に自分の勁の流れが伝わると相手の関節も動きます。自然にこちらの勁の影響を受けるのです。

相手が力任せで私の腕を掴んだとします。私が関節を繋げて勁を流せばその流れは相手の関節にも影響し相手の筋力にも影響します。相手の力が抜けるのです。

普通力のある方が強いと誰もが思っていると思います。力が部分的に入っていてもその最寄りの関節が動くとその力は緩んでしまいます。関節の動きに筋力は左右されます。筋肉の力が抜けると身体エネルギーが流れやすくなります。

こちらの流れが相手に伝わるとこちらの流れに相手の勁の流れも影響されます。相手の動きをコントロールすることができるのです。

確かに筋力を入れている部分は強くなります。でもそれは全体的な動きではありません。バーベルを持ち上げるのは筋力の大きい人が強いですね。でも部分的な筋力だけではありません。床においたバーベルを前腕だけでは持ち上げられません。

膝をおり上腕で肘のところまで引き上げ膝と肘を使ってバーベルを上げます。関節の連携が必要です。その関節の連携がもっと巧妙になると勁が流れます。

腕立て伏せで考えてみましょう。

腕を水平に広げた常態で腕立て伏せをします。伏せた状態から身体を持ち上げる時普通は腕や背筋の力を使います。それをお尻を持ち上げるようなイメージで上げるとより楽に身体を伏せた状態から上げることができます。背中からの関節の連携がありこれはかなり勁の感覚に近いと言えるでしょう。

まだ慣れないと筋力も少しは使ってしまうでしょうがお尻から上げると腕の筋肉などあまり固まらない状態で身体を持ち上げることができます。勁に近いパワーが働くと言っていいでしょう。

勁は身体エネルギーの流れる力であり接触すれば相手の動きをコントロールすることも可能です。

勁を理解することなくより深い境地を得ることができるのです。


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