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執筆者の写真Hideyuki Ikeda

2024年4月17日記す 動と静

太極拳経では「動は別れ静は合う」

と言ってます。

わかったようなわからないような感じの人が多いのではないでしょうか?

この場合の静を動かないものと考えてしまうとなかなか実用的な概念にならないと思います。

一台の車が動いています。動ですね。

もう一台の車も平行に動いています。

両方動ですね。

この2台の車が同じスピードだとしたら

この2台の車の関係は静となります。

同じスピードなら平行に走っている場合

窓からものを手渡すことも可能です。

両方違うスピードなら窓からの物の手渡しは不可能です。

こう考えるとこの動と静の概念は武術でかなり実用的に使えます。

わたしの体軸で相手の体軸を捉えることを私はロックオンするとよく説明しますが相手をロックオンするとこちらはとても有利になります。

動も実践を考えた時たた動けばいいというものではありません。

太極拳の言葉で

「薄い氷を割れないように動く」

という言葉があります。

→「薄氷を踏むがごとく」

何を言っているかというと上から体重を下にかけるとすぐ氷は割れてしまいます。下に重心がかかるのを制御することが可能な関節が膝です。大腿四頭筋を使うと膝が固定されます。ハムストリングを使うと膝は自由になります。

タイヤは実にスムーズに動けますね。

一回転に遠心力と求心力が生まれるからです。下半身の動きも膝を自由にしてスムーズに動きたいものですね。股関節が緩むと腸腰筋が使えます。

左右の腸腰筋や左右の膝の動きのバランスを保つことを可能にするのが体軸であり左右の腸腰筋と左右の膝の連動が下半身の動きの鍵だと私は思います。

私が陳式を習い始めた時、纏絲勁のことをまず考えました。順纏、逆纏があってその陰陽で動きができると思ったのです。陰陽が動と静の母のように考えていたのだなとあの時を振り返って今はそう思います。

体軸を作り動と静を行うことで陰陽ができる。動と静が陰陽の母だということが今は納得できます。動きの中の静とは何か

例えば膝と膝を合わすことで関節の静ができます。体軸があるからこそ相反する極ができるのです。その体軸が立身中正だと私は思います。

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